事業承継
異業種交流会で 「継ぐもの」のお題をいただき
お話をさせていただくことになりました。
昔を思い出しながら、この場を借りて綴りたいと思います。
会社案内からの抜粋になりますが、創業は1907年、設立1967年
創業から言えば4代目、アサヒ印刷株式会社としては2代目になります。
もともとはマッチ箱の組み立て作業が創業の成り立ちなのですが、
そこから分社化し、印刷事業として現会長である親父がアサヒ印刷を
立ち上げました。
戦後はものすごい勢いで商売が繁栄し、総勢50人ほどの
従業員がいたそうです。
私が覚えているのは小学校に入る前からで、その頃でも
20人近くは働いていただいていたように思います。
祖父の横でマッチ箱を組み立てる機械や印刷機の見張り番。
祖父はよく私に、『商売しーよ』と話してくれました。
小学校に入り自転車の荷台に荷物を積んで近くの新聞販売所へ配達に。
また、親父の横に乗ってよく配達の手伝いをしていたのを覚えています。
この頃から、将来は継いで社長になるんだ!と、商売人に憧れていたような記憶が。
ただ、中学校にあがり部活動で忙しくなったり、反抗期なども相まって、
だんだんと仕事から離れていきました。
大学の時の就職活動で、親は別に継がなくてもいいと言っていたので、
大阪にある大手広告・印刷系の会社へ就職。
しかし、働き始めた1年目に祖父が亡くなりました。
かわいがってもらった祖父との別れは、寂しさと同時に
俺が何とかもう一度、祖父がしていた頃のように!と強く決意するきっかけに。
そうして、祖父の死から約1年後にアサヒ印刷へ入社した。
問題はここから。
私の勢いだけは良かったが、肝心の仕事がそんなにない。
正式に従業員を募集したわけでもなく、ただ息子だから、跡継ぎだから、という感じで入ったものだから、なんとなく午前中は営業。なんとなく午後は現場。
仕事も早々と切り上げ、夜は遊びに行く、みたいな。
営業をするのか?機械を触るのか?
はっきりしない状況のまましばらく時が過ぎ。
これではいけない、と一念発起して営業の新規開拓の勉強会に出かけるようになった。
その後2014年に突然の社長指名。
おいおいという感じで社長に就任したが、気が付けば約8年が過ぎました。
こうして続けられているのも、お客様のおかげであり、感謝しかありません。
事業承継とは、事業を受け継ぐだけではなく、思いを受け継ぐことだと思っています。
この大変革の時代に於いては、
日々変わりゆく外部環境についていくのが大変ですが、
お客様、売り手、世間の三方よしの精神で舵取りをしていかなくてはならない。
事業承継ではあるが、創業者の精神でこれからはやっていかないといけない。
と、思っています。
だいたいこんな話になりますかね。
この場で言えない話も多々ありますがそれはそれとして。